大きな災害がおこったときに被災してしまいがちなのが、高齢者や障がい者、小さな子どもたちです。
そんな災害弱者といわれる人を守るためには、近隣の協力が必要です。
年々、疎遠になりがちな近所づきあいを見直し、常々からコミュニティづくりをしておきたいものです。
目次
自助、共助、公助 とは?
自助とは、個人が日頃から災害に備えたり、災害時には早めに避難したりするなど、自分で身を守ることをいいます。
一方、共助とは、地域の災害時要援護者の避難に協力したり、近所と助け合って協力し合うことです。
公助は、市役所、消防、警察、自衛隊などによる公的な支援を受けることです。
自助、共助、公助のバランスが、私たちを災害から守ってくれます。
近年では、自分たちの安全は自助や共助で守ると言った意識が強くなってきています。
公助から自助、共助へ
内閣府が実施した世論調査結果によると、平成14年調査時には「公助」に重点を置くべきと考えている人の割合が24.9%でしたが、平成29年調査時では「公助」は6.2%に減少しました。
一方「自助」は平成14年の18.6%から平成29年の39.8%に、「共助」は平成14年の14.0%から平成29年の24.5%にそれぞれ増加しました。
国民の多くが、大きな災害が起きた場合、公助に頼ることには無理があると感じ、改めて自助や共助に重点を置くべきと考えているようです。
自助、共助の重要性は、特に東日本大震災以降に国民が意識するようになったと言われています。
災害時における具体的な自助、共助とは?
自助とは、家庭で日頃から災害に備えたり、災害時には事前に避難したりするなど、自分で身を守る事ですが、その方法として次のようなことがあげられます。
・食料、飲料水の備蓄しておく。
・トイレットペーパー、常備薬などの日用品を備蓄をしておく。
・自宅の耐震化、耐火性について確認しておく。
・家具、テレビ、蛍光灯などの転倒や落下、移動防止の対策をしておく。
・災害用簡易トイレを備蓄しておく。
・避難経路の確認をしておく。
・家族同士で災害時の安否確認の伝達手段を確認しておく。
共助とは、地域の災害時要援護者の避難に協力したり、地域の人々と一緒に消火活動を行うなど、周りの人たちと助け合うことを言います。その方法としては次のようなことです。
・常々、困った時は近所と助け合う習慣をつけておく。
・自主防災活動に参加する。
・地域の防災訓練に参加しておく。
・高齢者、障害者の支援などについて自治会などで話し合っておく。
災害市における公助とは
公助とは市役所、消防、警察、自衛隊などによる公的な支援のことです。
主な公助は次のようなことです。
・情報伝達機能を充実させ、メール、SNS、ホームページ、防災行政無線の活用などで情報を公開します。
・避難所機能の充実をはかります。
・備蓄品の整備、管理、災害用井戸の整備などをおこないます。
・自助への支援としてパンフレットの配布や、自治会への出前講座で災害のための啓発などをおこないます。
その他、自主防災活動への補助金交付への支援も検討されています。
災害時は高齢者や要介護者、子どもはコミュニティで守る!
災害時に被災しやすいのが、ひとりで動けない高齢者や要介護者、障がい者、子どもなどです。
そんな人たちを守るには、コミュニティの力が必要です。
常々、自分の家には高齢者がいることや小さい子どもがいることも、ご近所に知ってもらっておくことが大事です。
また、ひとりで動けない要介護者がいる場合は、各自治体に登録をおこなっておくと地域の消防団や防災組織などが優先的に対処してもらえます。
ただ、大きな災害だと公的な手が回らないこともあるので、「弱者はコミュニティで守る」といった意識を持つことが大事です。
自分たちでできることの例として、事前に次のようなことを確認しておきましょう。
高齢者がいる場合へ
・車いすやストレッチャーなどが、すぐに使えるようにしておく。
・高齢者の部屋には、背の高い家具や倒れやすいものをおかない。
・ガラス窓には飛散防止用のシートなどを貼っておく。
要介護者がいる場合
・ご近所に要介護者がいることを伝えておきます。
・日常使う薬やオムツなどは備蓄しておきます。
・自治体に避難行動要支援者登録をしておきます。
乳幼児がいる場合
・寝かせているベッドのまわりには倒れやすいものを置かない。
・丈夫な抱っこひもやおんぶひもを用意しておく。
・オムツやミルクを常備しておく。
まとめ
私たちの住む日本列島は、世界でも有数の自然災害大国と言われています。
「災害は忘れたころにやってくる」と 言われたものですが、近年、忘れる間もなくやってきています。
大きな災害がおこったときは、消防や自衛隊などによる公的な支援が受けられないこともあります。
被災してしまいがちな「高齢者や要介護者、障がい者、小さな子どもたちは地域で守る」という気持が大事です。
常々、気軽に声をかけ合い、共に助け合う「共助」の意識を持ちたいものです。