自然災害は、気象災害と地象災害の2つに分けられます。
台風や大雨は地震災害に比べて防災気象情報を利用することで、被害を最小限に防ぐことも可能です。
7月から10月にかけては台風が多くなり、大雨、洪水、暴風、高潮などをもたらします。
住宅の立地場所によって、川の氾濫や土砂崩れの心配がある場合は、早めに安全な避難場所に避難することで命を守ることができます。
目次
住んでいる地域の自然を知っておく
ふだんから家の周りをチエックして、近くに氾濫する川があるか、裏に土砂崩れしそうな山がないかなどを確認しておきましょう。
市区町村が作成している「ハザードマップ」を入手して、危険箇所を確認しておくことも大事です。
ハザードマップは、過去に発生した災害の被害状況をもとに、地震や津波、台風や集中豪雨による洪水、崖崩れや土石流、火山の噴火など、大規模自然災害がおきた場合の被害発生状況を予測して地図に書き込んだものです。
特に転勤などで引っ越してきた人は、災害シーズンを前に家族で家の周りを歩いて避難所を確かめておくようにしましょう。
その際、近道などは避け、誰もが通る広い道を選ぶようにします。
また、長年住んでいる人は、裏に山があっても「30年も被害に遭わなかったから今回も大丈夫だろう」と避難せずにいて、土砂崩れに遭うこともあります。
避難勧告が出ている場合は指示に従うとともに、そうでなくても防災気象情報を聴いて、不安な場合は早めに避難するなど的確な判断をしましょう。
家の外の備えについて
家の外の点検は、大雨が降る前や風が強くなる前に行いましょう。
・側溝や排水口はゴミを取り除き、水はけを良くしておきます。
・雨どいが詰まっていると、大雨の際には雨漏りの原因になるので、台風が来る前までに掃除をすませておきます。
・風で飛ばされそうなゴミ箱や植木鉢は飛ばないよう固定したり、家の中へ入れます。
・窓や雨戸は必要に応じて補強し、しっかりとカギをかけます。
台風などで雨や風が強くなってから外に出るのは危険なため、家の中からできる防災対策をおこないましょう。
内水氾濫と外水氾濫
内水氾濫とは排水路や下水管の処理能力が追いつかなくなり、土地や建物に水があふれてしまいます。
マンホールからの逆流などが市街地で発生するため、河川から離れた地域でも十分注意が必要です。
外水氾濫とは、河川の水が堤防を乗り越えてあふれたり、堤防が決壊することによって起きます。河川の近くの地域に急激に濁流が流れ込むため、非常に危険です。
外回りの点検はすでに台風などの影響が出ている場合は控えておきましょう。
家の中の備えについて
飛散防止フィルムなどを窓ガラスに貼っておきましょう。
さらに、カーテンを引いたりブランドをおろしておきます。
市町村から避難準備や避難開始の支持があれば、いつでも避難できるようにリュックに緊急避難に備えて次のようなものを入れておきましょう。
リュックに入れておきたいもの
飲料水、乾パンやクラッカー、レトルト食品、缶詰、現金(小銭も)、預金通帳や健康保険証、身分証明書の写し、下着、タオル、寝袋、雨具、軍手、ヘルメット、靴、ナイフ、缶切、水筒、懐中電灯、ラジオ、電池、ロープ、マッチやライー、使い捨てのカイロ、ティッシュなど、筆記用具、ごみ袋、懐中電灯、携帯用ラジオ(乾電池)、救急薬品、衣類、非常用食品、携帯ボンベ式コンロ、なども用意しておきます。
その他にも断水に備えて飲料水の確保しておくほかにも、生活用水を浴槽に水を溜めておくようにします。
-
いざというときのために揃えておきたい防災グッズ
自然災害はいつどこで起こるかわかりません。 いざというときのために揃えておきたい防災グッズの内容は、個人や家族構成によって違います。 この記事では一般的に揃えておきたいものを紹介しますので、自分や家族 ...
続きを見る
高齢者や子どものいる家庭は早めに避難を!
避難勧告や避難指示があったときは、安全なルートで避難場所にすぐに避難しましょう。
川の氾濫や土砂災害などの災害は一気に起こるため、避難が遅れると、命にかかわります。
しかし、すでに防風や大雨がひどく外に出るのも困難な時には、崖や沢からできるだけ離れた部屋や2階など、少しでも安全と思われるところで台風が過ぎ去るのを待ちましょう。
過去の台風や豪雨などの自然災害に学ぶ
近年日本では記録的な豪雨が増えており、洪水など様々な二次災害を引き起こし各地で大きな影響が出ています。
これは地球温暖化が進むことによる影響とも言われていますが、今までの経験からは予想もつかない豪雨になることもあります。
危険性のあるところに住んでいる場合は、早めに避難をしましょう。
・2018年7月 西日本豪雨
6月29日に発生した台風7号と西日本に南下した前線の影響を受け西日本を中心に広範囲で記録的な大雨となりました。
河川の氾濫により甚大な浸水害、土砂災害が広い範囲で発生し、各地で断水や電信の不通などのライフラインへの影響があり、多くの200名以上の死者がでました。
・2019年10月6日に発生した台風19号
台風19号は、猛烈な勢力を保ったまま12日に日本に上陸し、広範囲にわたって大雨、暴風、高波、高潮となり、大雨の影響で、河川の氾濫や土砂災害などが相次ぎ60名以上が亡くなりました。
電気、水道、道路などライフラインへの被害では、最大15万戸で断水、52万戸で停電が発生しました。
まとめ
台風や大雨などの自然災害で、市区町村から避難準備や高齢者等避難開始の発令があったときは、いつでも避難を開始できるように前もって準備をしておきましょう。
特に、高齢者や子どものいる家庭は避難に時間がかかるので、早めに避難するようにしましょう。
川の氾濫や土砂災害などの災害は一気に起こるため、避難がのタイミングがずれた場合は、避難場所までの移動がかえって命に危険を及ぼしかねないこともあるため的確な判断をおこないましょう。