日本は世界中から見ても自然災害が多い国です。
マグニチュード6以上の地震は、世界中で起こるうちの2割以上が日本で起こっています。
台風に関しては、日本近海で発生した地震のうち約2分の1が日本列島に上陸しています。
その他にも日本の活火山は100を超えており、火山噴火の心配もあります。
なかでも、近い将来を襲うと予測されている南海トラフ地震と首都直下地震に関しては、まさに恐怖ではありますが、徹底した対策で死者は10分の1に減らすことができるとも言われています。
南海トラフ地震とは
南海トラフ地震は、フィリピン海プレートとユーラシアプレートの境界が沈み込むことで、南海トラフ沿いを新減益に発生すると予測される巨大地震です。
気象庁では、南海トラフ地震が発生した場合、静岡県から宮崎県にかけての一部では震度7になる可能性もあり、その周辺では震度6の揺れが来ると想定され、津波の被害も心配されています。
南海トラフ地震防災対策推進地域を含む都府県はつぎの通りです。
茨城、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、岐阜、静岡、愛知、三重、滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛、高知、福岡、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄
南海トラフ地震の被災予想
・上水道、下水道ともに上記の県の約7割が影響を受ける。
・電力、約7割から9割の停電が予測される。
・ガス、5割以上が供給停止となる想定。
・鉄道、約19,000ヵ所で発生すると予測される。
・空港、中部国際空港、関西国際空港、高知空港、大分空港、宮崎空港で津波浸水が発生すると想定される。
・道路、路面損傷、のり面崩壊、橋梁損傷などが30,000ヵ所以上で発生すると予測される。
・通信、固定電話の役9割が使用できなくなると予想される。
・港湾、約3,000ヵ所で被害が発生すると予測される。
・帰宅困難者、平日の昼間に地震が発生した場合、中京都市圏で約400万人、京阪神都市圏で約660万人と予測される。
・避難者、断水の影響から最大で500万人と想定される。
・医療機能、患者数は入院患者が約15万人、外来患者が14万人と想定される。
・物資の不足、食料が最大3200万食、飲料水が4800万リットル、毛布が520万枚不足すると想定される。
・災害廃棄物、建物の全壊や焼失による廃棄物が約2億5000万トンと想定される。
・危険物、コンビナート施設の約890施設での被害が発生すると想定される。
・エレベーターの閉じ込め、最大で約2万3000人が閉じ込められると想定される。
・孤立集落、最大で農業集落が約1900集落漁業集落が約400集落孤立する可能性がある。
首都直下地震とは
首都中枢機能への影響が懸念される首都直下地震は、今後30年以内に発生する確率が70%と高い数字で予想されています。
南海トラフ地震に比べ火災による死者数が心配されています。
首都直下地震緊急対策区域を含む都県
茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、山梨、長野、静岡
南海トラフ地震と首都直下地震のほかにも、近い将来に、大きな地震を起こす可能性が高い活断層が複数あります。
平成28年4月に発生した熊本地震を引き起こした布田川断層帯のM7.0級の地震発生の確率は、30年以内におこる見込みが1%未満でした。
ところが大きな被害をおこす大地震が起きてしまいました。
地下に隠れている活断層もあり、大規模な地震が発生する可能性はどこにでもあるということになります。
災害で命を落とさないための5つのアドバイス
防災といえば、防災グッズを買いそろえたり、食糧を備蓄するなどとイメージが先行しますが、想像を絶する地震や台風などの災害が起きた場合、守るべきものは命です。
死なないためには、次のようなことも考慮する必要があります。
一つ目は、歴史的に見て何度も災害にみまわれており、びくびくして暮らしているようなら、思い切って引っ越すという選択肢もあります。
台風や地震などはどこで起こってもおかしくないとはいえ、川の氾濫や土砂災害がくり返しておこる場合は、自分や家族を守るための手段として危険を避けることも大事です。
二つ目は、今住んでいる家を災害に耐える強い家にすることです。
耐震検査をして、震度6以上にも耐える家に作ることです。自分でできることは、家具の固定やガラスの飛散防止対策などです。
三つめは、避難することです。危険を感じたら迷わずに逃げることで家屋の下敷きになったり津波に流されたりすることを防げます。
4つ目は最低限3日分の備蓄はしておくことです。
5つ目は希望を捨てないことです。ホイッスルは、日常的に必ず身につけるようにして家屋の下敷きになった場合は助けを呼びましょう。
まとめ
適切な災害対策をおこなうことで、近い将来起こるかも知れない南海トラフ地震や首都直下地震で予測される死者の数を、大幅に減らすことができます。
自然災害は決して他人事ではありません。
自分が今住んでいるところがどのくらいのリスクがあるかを知り、適切な防災対策を行いましょう。
「命を守るためには?」と自分に問うことから、それぞれの家庭の防災がスタートします。